持ち回りコラム「コレを聴けっ!」早くも一周してしまい、またまた登場しました庄司”デジロッカー”英徳でございます。
コラム開始からもうひと月以上経つんですね。早いものです。その間に「VIRTUA
STRIKER3 ver.2002」の開発開始、ゲームキューブの発売、「SUPER
MONKEY BALL」リリース、生X-Boxを見て家のビデオデッキと変わらない大きさに驚いた東京ゲームショー、庄司の体重増加、など色んな事がありました。
久しぶりにクラブにも行きました。デカ目の所を3〜4つまわってみましたが、やはり例外なく全てトランスのイベントでした。大人気ですね。チョット前にトランスといわれてた物とはずいぶん違う様で、イベント名を見て初めて気付くくらいです。ま、音楽のジャンルなんて作った本人が言ってればそうなってしまう物です。
さて、今回のコラムいままで自社製品が一つもなかったので、趣向を変えて自社サントラを紹介します。
「Fantasyscape -Slashout Original Soundtrack-」ジャンルはトランス(笑)です。
ハッキリ言いましょう。このCD、レアです。都内のCD屋さんを17軒、親心もあって奔走しましたが、店に陳列されている所を見た事がありません。見た事のある方、御一報下さ〜い。
発売は1年半くらい前でしょうか。いや〜、しかし恥ずかしいタイトル名ですなぁ。ま、俺が命名したんですけどネ。従来のファンタジー音楽の代わり、と言う意味が込められてます。CDブックレットにも書いてあるんですが「ファンタジー=オーケストラ」という図式へのアンチテーゼとでも言いましょうか、こういう音楽もアリなんじゃないかという提議であるわけです。
…え?オーケストラ曲を書けないだけじゃないのかって?
……却下します。
全体的にアップテンポのデジロッ…いや、トランスが主流ですが、様々なジャンルの音を混ぜてます。
ピッコロとかも入れてますし、民俗的なパーカッションも入ってますし。そういう意味ではゲームを知らない人でもそれなりに楽しめるんじゃないかなと思います。オリジナルサウンドトラックだけあってアーケードのボードから直接レコーディングしてるので、多少ノイジーなのは御愛嬌という事で。
しかし昔のゲーム音楽って「イイ音だねぇ」「だってアーケードだもん」というやり取りだったのに対して、今は全く逆になっています。媒体がCD中心だから当然なんですがコンシューマの音の方がかなり良いですよね。アーケードの仕事が多かった俺としてはちょっと複雑だったりします。って、何かのゲーム雑誌で見た事のあるセリフを言いつつ先に進みます。
憧れだったケチャに手を出せたのは思い出深いです。ケチャって聴いた感じだけでもカッコイイです。好きなんです。高校生の頃にアニメの「AKIRA」で初めてケチャに出会って以来、心酔してます。思い叶って挑戦しましたが…、難しいですね〜!あの迫力と音圧は簡単には出ないです。あまり作曲に時間がかけられない状況だったのでフィーチャー程度に押さえ、自分の声だけで雰囲気だけ出す様にしました。またチャレンジするつもりです。
このサントラの曲達の中で特に思い入れがあるのは「FATE」というお経の様なボイスの入った曲です。
あのボイス、俺の声を加工したものを鳴らしてます。お経CD買ってきてそのまま使おうともしましたが著作権関係(お経にも著作権ってあるんでしょうか?)がコワイので自分で録音する事にしました。
スタジオが押さえられなかったので自分の机で録る事になったんですが、周りに人がいてノイズが入るしなにより恥ずかしいので人のいない夜中に録音を決行しました。近辺の蛍光灯だけつけ薄暗い中、独りでお経らしき何かをマイクに向かって唱え続ける25歳男性。危なくて人に見せられません。…ふと後で物音。見られてしまいました。夜の巡回をしている守衛さんが立っているでわありませんか。録音を途中で止める訳にもいかずお経を唱えながら会釈。あの時の守衛さんの目は忘れられません。
楽曲というよりアンビエントに近いですが、そんな苦労の甲斐あって自分的にはかなりの自信作です。
問題作ではありません。多分。
一度、大音量で聴いてみる事をオススメします。何かが寄ってくるかもしれませんよ。
そう、何かが…。 |