AMUSEMENT VISION
株式会社アミューズメントヴィジョン
サイトマップサイトマップ サイト内検索
製品情報 イベント コラム ダウンロード 会社概要
HOME / コラム / 名越コラム
名越コラム
例によって映画の話をさせて下さい。でも最近新作は見てないんですよ。全く。
でもせめてネタ的に最近の話題のものにしましょうか。最近見て感心した映画は「ピンポン」です。
宮藤官九郎さんの脚本で見たのは「GO」以来2度目。主演も同じ窪塚洋介さんだったのでそのノリを期待して見ていたのですが、
台詞回しの独特さはそのままに、少年時代のオマージュを新しい感覚で感じさせる、「GO」とはまた違った、最近の日本映画には珍しい、
見ているだけでも気分的に癒されるような作品だったのを強く覚えています。21世紀の日本の若者像を演出させたら今、ピカイチの人です。
窪塚洋介さんに関しては青年時代のつたなさをひきずった人物像の役柄は最高のハマり役であり、そういう人物像を操って語る、
宮藤氏の脚本を読むのは逆のこの俳優以外考えづらい気さえします。
と、ずっと思っていたのですが、ある日「池袋ウェストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」を再放送で見た時から考えが変ってしまいました。
宮藤官九郎脚本は、俺にとってはテレビドラマの方が面白かった。
多分、宮藤氏の最も特徴である台詞の良さを、ちょうどいいサイズで見るためには映画のサイズよりテレビの方が合ってるんだと思います。
刃物が飛びだすような緊張感と目を細めてしまうようなホッとする感の同居した独特の世界観。これらを満喫できるのはテレビの方ですよ。絶対。
台詞の合間の空気感をとても大切にする彼の脚本を大切に考えるのなら、映画のサイズというか、その「映画」という時間的に限られた組み立て自体が
脚本にとって窮屈になっているのかもしれません。とにかく大注目の作家です。評価も高いようすし。
でもこういう脚本家が評価されるのはとても良いことだ思います。若い人がもっとドラマを見る機会もきっと増えるしね。
テレビドラマをレンタルビデオ屋さんで借りる習慣の無い人も「木更津キャッツアイ」は見てみて下さい。結構イケます。笑えます。
疲れたときなんか良いですよ。ではまた。

名越 稔洋
(c) AMUSEMENT VISION,LTD.,2000-2004 All Rights Reserved.