◆ゲーム業界の企画 新卒の面接で「ゲームの企画って、どんな仕事だと思う?」という質問をすると「ゲームのアイデアを考えてデザイナーやプログラマーに指示を出す仕事です」と答える人がたくさんいます。間違っていないのですが、企画の一番華やかな部分のみを見ている回答です。実際は上記のことをやりつつ、雑用という名の作業量の見えない魔物と同時に戦わなければなりません。 スケジュールの管理やデバッグという大ボスから、チーム内の不平不満の解消・他部署との調整などの中ボス、会議室の予約や資料のコピーなどのザコまで、様々なものが湧き出してきます。何が降りかかってくるか予測の付かないのが雑用です。 魔物をそつなく倒しプロジェクトを円滑に進められるようにするのが、企画の一番重要な仕事です。アイデアを考えてまとめることも、もちろん大事なのですが、いくら良いアイデアがあっても、それを制作する現場が整備されていなければ、絵に描いた餅でしかありません。 雑用ができなければチームの機能もストップし、ゲームの完成はありえません。 ゲームの立案から発売までの流れを振り返ると、ゲームのアイデアを考案して仕様書を描くよりも、雑用という名の魔物と戦っている方が基本的に長いと思っておいて下さい。
◆ゲーム企画に成れる条件 企画として重要な能力は「コミュニケーション能力」「発想力」「リーダーシップ」です。この3つの能力のうち2つを持ち合わせていれば、企画としてやっていけると思います。欠けている能力はチームのメンバーから借りることで何とかやっていけるはずです(借りる人がいない場合は保証できませんが・・・)。 しかし上記以外に「責任感」と「忍耐力」は必須条件になります。この二つが欠けてしまうとプロジェクト自体が崩壊し、お蔵入りになる可能性が非常に高くなります。 どんな状況下になっても、率先して窮地に飛び込み、企画の責任をまっとうできる人にならなければ、真の企画者にはなれません。 もちろん企画だけでは解決できないこともあります。 その時は早めにプロデューサーやディレクターに助けを求め、ゲームの内容を調整したり、人員を増やしてもらうなどの対応をしてもらいましょう。 ◆ゲーム企画を目指す人達へ 一生のうち早めに本当の苦しさを経験する方が絶対に良いと思います。 ものごっつぅ辛いことを一度経験すれば、その後で経験することが「あの時より楽、あの時よりはマシ」っていうように免疫ができて忍耐力がつきます。 私も某プロジェクトで辛い日々(年月?)を過ごしたので、ちょっとやそっとのことでは辛いと思いません。多少の辛さはヘッチャラのチャラチャラになりました。 当時は色々と思うところもありましたが、今となっては良い経験をさせて頂いたと感謝しています。 バイトでも同じだと思うので、若いうちに仕事の苦しさを経験した方が絶対に良いと思います。率先して嫌なこと・辛いことを引き受け、窮地に飛び込んでいって下さい。 その方が後々の人生が絶対に楽になると思うので・・・。 ◆最後に 何でそんなに辛いことに耐えれるかというと、自分の命を削って完成したゲームは愛着も湧いてきます。 店頭やゲームセンターに並んでいるのを見ると、頑張って良かったと本当に思います。 さらにユーザーから「買って良かった!」「面白い!」って言われると非常に嬉しい。 この一言を言ってもらえるようにする為に、日々の辛い業務にも耐えれているのだと思います。 ということで、アミューズメントヴィジョンのゲームをプレイして下さい。 だらだらと書きましたが、これが最後です。 駄文に付き合って頂き、有難うございました。
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