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アーティスト |
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VANGELIS |
タイトル |
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ANTHEM takkyu ishino remix |
発売元 |
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Ki/oon Records |
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KSCP924 2002.4.24 Release |
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ニッポン!! いやー、ワールドカップ™、本当に面白かったですね。
なぜあんなに盛り上がったんですか!?ともすると、にわかファンや、チケット問題や、暴動やフーリガン、そして誤審問題、さらには政治家やタレントの便乗発言まで取り沙汰された今回の大会。それだけ影響力があったということですね。そのエネルギーの根源は何だったんでしょうか?多人数で、スピーディーで、戦略的で、ボールにしか触ってはいけないというルールのゲームは他にもありますが、サッカーはゴールにキーパーがいることで、力とチャンスだけでは押せない、ラストワンマイルで残されたかけひきを決定付ける技術力と精神力と発想力と協力、その瞬間に求められるプレイの濃さが他に類を見ないのではないでしょうか。
そして、新世紀の日本代表選手たちによるレベルの高いプレイが掴んだ歴史的な勝利が大きな感動を呼ぶなか、ワールドカップ™を暖かく包み込むような音がありました。各国サポーターの声援ももちろんそうなのですが、スタジアムで選手が入退場する際、(私自身、日本VSロシア戦をスタジアムに応援にも行きましたが)、日々の試合をTVで見守りつづけた時も、常に鳴り響いていました『ANTHEM
-2002 FIFA ワールドカップ™ 公式 アンセム-』。そうです、もうすっかり聴き込まれている方も大勢いると思いますが、あの爽やかな音楽です。まるで、ジャパンブルーが生んだ感動とともに、歩んできたかのような楽曲。日本を応援していた私には日本代表選手のテーマソングみたいな印象が今はします。作曲家としては各国の人々にそういう思いを持ってもらえれば大成功でしょうね。
そう感じられたのも、今大会の公式テーマソングでは、かの近未来サイバー映画の金字塔「ブレードランナー」に濃厚な音楽で世界観を与えたヴァンゲリス(Vangelis)が、日韓共催に合わせてアジアンエスニックな音楽テイストを多分に取り入れてくれたからだと思います。もともとは、オスカー受賞作の「炎のランナー」や、全世界で400万枚以上のアルバムセールスを記録した、リドリー・スコット監督の映画「コロンブス:1492」のサウンドトラックなど、数多くの映画音楽を手がけてきた偉大な作曲家です。ブレードランナーの重厚な印象が強いだけに、まさか世界的サッカーの祭典に合わせてスポーティーなテーマソングを作曲するとは夢にも思っていませんでした。これは凄いことです。これだけイメージの異なる作品で、築いた作風を生かして記憶にのこるインパクトを与える作曲をするというのは難しいと思います。そして、ゲームの展開に応じて、楽曲の濃度が変化してくる点も、驚きです。それほどでもない時には、うるさくなく、盛り上がってきたときには、グッときました。さりげないようでいて、常に勝者と敗者に分かれる観戦者の心を掌握した作曲精神だと思います。日本人としても、そして世界各国のサッカーを楽しみにしていた者としても、アジアでの共催という理念と、大会の成功と感動に大きく寄与したテーマソングだと思います。
あの感動をもう一度という方には是非聴いて頂きたいのが、今回ご紹介しているCDシングルのジャケット『ANTHEM takkyu ishino remix -2002
FIFA ワールドカップ™ 公式 アンセム-』です。そうなんです、ヴァンゲリス作曲のテーマソングに、日本テクノ界のファンタジスタ、石野卓球がリミックスで参加しました!爽やかな一陣の風が走り抜けるかのようなリズミカルなビートと、さりげないヴァンゲリスへのリスペクトフルなシンセアレンジによって、ストリングスやホーンセクションやコーラスで彩られた主旋律がさらにコントラストとして際立ち、ダイナミックな感動を与えてくれます。サビや落としどころに入る前のタメでは、華麗なDJのバックグラウンドを持つ石野卓球ならではの技を見せてくれます。そしてさらなる展開へとつながる予感。ヴァンゲリスの壮大さと、石野卓球の勇猛さが見事に融合した、爽やかな気持ちで胸がいっぱいになるテーマソングのリミックスです。
それでは、今回の開催まで厳しい現実があったと思われますが、並ならぬ準備と育成と努力をされてきた日本サッカー関係者の方々に敬意と感謝の念を表しつつ、4年後の大会もドイツまで応援に、いくぞニッポン!!
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